親戚の古民家

母が小さいころから出入りしていた親戚の家は、それはそれは広く、立派なものだったという。
子供心に家の奥まで行くのは怖くなるほどに威厳のある建物であった、とも。
敷地も広く、立派な石倉や女中部屋などもあり、鮮烈な記憶として残っているようだ。

そんな立派な古民家、現存しているが、今は使われていないそうだ。

ずっと母に、「私が欲しい、とにかく見てみたい」と言い続けており、それが今回叶った。
(いや、見せていただく、ということが、叶ったのよ)

どんだけ広いんだ?と想像していたのだが、至って安心する普通の広さ。
幼少の母の記憶には、すごい広いお屋敷だったんだろうな。
本人も「あれ?こんなに狭かったんだ」と言っていた。

とはいえ、とても立派な設えで目を奪われた。

広い敷地に、石倉や馬小屋や倉庫などが配され、
少々手入れが不足してる感のある庭も、四季に花を愛でられるであろう木々が配され、それはそれは美しい。
この界隈の麓集落に見られる、クランクする門からのエントランスの配置も石塀と共に残っている。

母屋の建物も、15年ほど前まで人が住んでいたので、手は加えられているが
今はなかなか見られない立派な梁は、かつて丁寧に作られた建物であることを物語っている。

いいものを見せてもらった。
ちょうだい、いいよ、となかなかなるものではないが、純粋に欲しいなあと思う。

手に入れたら入れたで大変だろうけど(笑)